虫垂炎のCT所見

〇虫垂炎のCT所見

 

 

 虫垂とは右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官である。

盲腸からいろいろな方向に向かって存在します。

CT画像では盲腸から出ている細長いものを追って、連続性がなくなれば虫垂と同定できます。

病院では虫垂炎のことを「アッペ」と言ったりします。私が病院で働き始めた頃、看護師さんが「アッペの人が救急車で来る。嫌だなー」と話していて、「アッペ」が何かわかりませんでしたが、「嫌ですよね」とテキトーに話した記憶があります。

 

虫垂炎の症状の出現順は

①心窩部痛

②嘔吐・吐き気・食欲低下

③右下腹部痛

④発熱

⑤白血球増加

です。症状が認められない場合もあるものの、順番が逆になることはないそうです。

上にも書いていますが、虫垂炎の典型例は心窩部痛→右下腹部痛の痛みの移動です。

しかし、いつも典型例に出会うとは限りません。急性虫垂炎は発症早期には特徴的な症状や所見に乏しく、診断の遅れから穿孔に至ることは少なくないそうです。

また、虫垂炎の頻度は高く、腹痛であれば虫垂炎を疑うべきです。疑わないと少し虫垂が大きくなっている程度だと見逃してしまうからです。

ではここで急性虫垂炎のCT画像所見をまとめていきます。

 

・虫垂の腫大

・虫垂結石、糞石(排泄物が石灰化したもの)→虫垂結石を有する症例の90%は虫垂と言われている。虫垂結石は虫垂が穿孔して腹膜炎を招くために、手術適応を示す重要な所見の一つです。

・虫垂周囲の脂肪組織濃度上昇(dirty fat sign)→炎症があるサイン

炎症の程度により病理学的に3つに分類されています。

――「レジデントノート腹部・骨盤部の画像が読める」より引用――
①カタル性虫垂炎:炎症が粘膜表層に限局し、より深層に及ばない。
②蜂窩織炎性虫垂炎:好中球浸潤が粘膜下層から筋層、漿膜や虫垂間膜までびまん性に広がった状態、粘膜のびらんや潰瘍はみられるが、虫垂の壁構造は保たれる。
③壊疽性虫垂炎:さらに高度に炎症が伸展、粘膜は破壊され、虫垂壁は壊死、壊疽、穿孔に至る。
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・虫垂直径6mm以上の腫大→正常は35mm。直径が10mmを超えると異常と書かれている本もある。

・虫垂壁が2mm以上

・造影CTにおいて虫垂壁は増強効果(造影効果の増強)を示す。

 

などの所見が見られます。虫垂炎だと思われる症例には冠状断、矢状断の他に虫垂に沿ってオブリーク(oblique)をかけて画像を再構成してもわかりやすいと思います。CT検査をして画像診断を行うことでnegative appendectomy(不要な虫垂切除を行うこと)が減少することが報告されています。

 

参考文献

「虫垂炎」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%AB%E5%9E%82%E7%82%8E

福村直樹:画像診断ガイドライン2016年版.p380 金原出版会社,2016

中村實:最新・XCTの実践.p238 医療科学社,2013

土屋一洋:腹部・骨盤画像診断のここが鑑別のポイント.p113 羊土社,2006

荒木力:腹部CT診断120ステップ.p203 中外医学社,2014

坂本壮:救急外来ただいま診断中!.p238 中外医学社、2016

田中桃子、遠藤圭介、清水智子():レジデントノート腹部・骨盤部の画像が読める.p1108p1112 羊土社,2015

安保徹:安保徹のやさしい解体新書.p202 実業之日本社,2014

表題写真

http://www.nakamura-hosp.or.jp/health/tyuusuien.htmlより引用

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